13 月ごとの収支のブレ

期待値稼働 | レッスン

月ごとの収支のブレについて

勝率は月ごとに必ずブレる。それは問題ではなく、確率収束の自然な現象です。
このレッスンで「ブレを理解してコントロールする思考法」を手に入れ、
月次成績に一喜一憂しない状態をつくれるようになります。

「先月は80%だったのに今月は68%…」。このように月ごとに勝率が変動することへの不安は、多くのトレーダーが感じるものです。

しかし、これは問題ではありません。確率収束の理論から見れば、月ごとにブレるのは当然なのです。

① 勝率は月単位ではなく年単位で語るもの 必須

TAKUの実際の月次データを見てみましょう。

68.75%
12月(若干の下振れ)
16回中11勝5負

80%
11月

78.9%
10月

9月は70%台前半、12月は68.75%と「下振れ」した月もあります。しかし年間を通して見ると、収束帯は75%前後に落ち着いています。

Community — TAKUの分析投稿
T
TAKU

昨年のメモですが、レンジ相場の時はどうしても月単位では勝率落ちてきますよね。
勝率60%の月もあれば90%の月もあって、年単位では安定した勝率に落ち着くというのが理想ですね。
今月のような相場でいかに勝率のドローダウンを抑えるかが、長期的には大切になってきますね。

今週は6回トレードして5勝1負。
12月トータル:16回中11勝5負、68.75%(若干の下振れ)
11月:80% / 10月:78.9% / 9月:70%台
※複数口座運用のため、全口座合計ではありません

年始に書いた通り、個人的には勝率は75%くらいに収束してくる。
優位性の高いポイントだけを狙えば勝率は上がるかもしれないが、
その分エントリー回数が減って収支はブレる。
だからこそ、これが限界。

TAKU

勝率80%以上の月もあれば60%の月もある。これは失敗ではなく、確率が収束していく過程です。年間トータルで75%前後に収まれば、それが自分の手法の実力値です。

② なぜブレるのか — 確率収束の理論 最重要

勝率がブレる理由は、試行回数が少ないからです。確率には「収束するのに必要な回数」が存在します。

確率分母とは

確率分母とは「1÷勝率」で計算される数値です。勝率60%の場合、確率分母は約1.67。この分母の倍数だけ試行すると、理論上の精度で勝率が収束します。

勝率 確率分母 ±20%誤差に収まる試行数 ±10%誤差に収まる試行数 ±5%誤差に収まる試行数
60% 1.67 約167回(48%〜72%) 約668回(54%〜66%) 約2,672回(57%〜63%)
70% 1.43 約143回(46%〜84%) 約572回(63%〜77%) 約2,288回(65%〜75%)
80% 1.25 約125回(60%〜100%) 約500回(70%〜90%) 約2,000回(75%〜85%)
ポイント

月に10〜20回しかトレードしない場合、勝率が±20%の範囲でブレるのは数学的に当然です。
1ヶ月の成績で自分の実力を判断するのは、統計的に意味がありません。

確率分母の100倍の試行回数をこなして、はじめて「誤差±20%以内」に収まる可能性が95%になります。逆に言えば、月20回のトレードでは誤差が大きくて当然なのです。

TAKU

月次の勝率が下がっても焦る必要はない。試行回数が少ないうちは必ずブレる。大切なのは手法の期待値を信じて、機械的に実行し続けることです。


③ レンジ相場では勝率が構造的に下がる あってもいい

月によって勝率がブレる原因のひとつは「相場環境」です。トレンド相場では優位性が高く勝率が上がりますが、レンジ相場では優位性が出にくくなります。

USDJPY W1チャート — オレンジ枠がレンジ相場の局面

上のチャートは米ドル/円の週足です。オレンジの枠で囲まれた部分がレンジ相場の局面です。このような局面ではテクニカル分析の優位性が低下し、勝率が落ちやすくなります。

つまり「今月勝率が落ちた」のは、自分の腕が落ちたのではなく、相場がレンジに入っているからである可能性があります。

TAKU

7月はかなり相場がよく勝率80〜90%の方もいましたが、レンジ相場の月はどうしても月単位では勝率が落ちます。年単位で安定した勝率に落ち着くというのが理想です。


④ 本当に重要なのは「勝率×RR×試行回数」 最重要

多くのトレーダーは勝率ばかりに目を奪われます。しかし期待値的な観点で言うと、理論上は期待値プラスであれば全てトレードすべきです。

勝率80%のトレードを10回行うよりも、
勝率60%のトレードを30回行う方が
パフォーマンスは高い。

勝率重視のアプローチ

優位性が高いポイントだけを厳選
→ 勝率は少し上がる
→ エントリー回数が激減
→ 収支のブレが大きくなる
→ 期待値の総量が下がる

期待値重視のアプローチ

期待値プラスなら全てエントリー
→ 勝率は少し下がる場合も
→ 試行回数が増える
→ 確率収束が早まる
→ 期待値の総量が最大化される

勝率が落ちれば収支のブレが大きくなりますが、勝率が高くてもエントリー回数が少なすぎても収支のブレは大きくなります。

KEY FORMULA

重要なのは「勝率 × RR × 試行回数」

この3つの積が期待値の総量です。勝率だけを上げてもトレード回数が減れば総量は下がります。バランスを保ちながら3つを最適化することが、長期的なパフォーマンスにつながります。

このセクションの完了条件
  • □ 月の勝率が下がっても「試行回数と相場環境」で説明できる
  • □ 勝率だけでなく「RR×試行回数」で判断できている
  • □ 期待値プラスの根拠があれば、全てのエントリーを実行できる

⑤ 収支のブレをコントロールすることが勝ち組の境地 最重要

勝率が安定してきたトレーダーがたどり着く次のステージ、それが「収支のブレのコントロール」です。

CONCLUSION

収支のブレを調整・コントロール・メンテナンスすることが、最終的に勝ち組トレーダーがたどり着く領域。

ただし、現状勝てていない方や勝率が低い方は、まず勝率を安定させることが先決です。その基盤があって初めて、ブレのコントロールに意識を向けられます。

「トレード回数は少ない方がいい」という意見もありますが、数学的にはそういうわけではありません。重要なのはバランスです。

TAKU
正直、エントリーを増やすことに全然迷います(笑)。
でも何を迷っているかというと、エントリーの際にリスクを受け入れるかどうかだけです。エントリーポイントは決まっている。リスクを受け入れるかどうかが検討ポイントです。

自分はエントリーする前にあらゆるリスクを想定しているので、負けても全く落ち込みません。なぜなら、逆行のシナリオも織り込み済みだからです。

エントリーさえしてしまえば、後は確率の世界です。

このレッスンの完了条件
  • □ 月次の勝率変動を「確率収束の過程」として説明できる
  • □ 勝率・RR・試行回数の3つで期待値を判断できている
  • □ レンジ相場での勝率低下を想定内として受け入れられる
  • □ エントリー前にリスクを想定し、エントリー後は確率に委ねられる

まとめ

必須 勝率は月ごとにブレる。年間75%前後への収束が目標
最重要 試行回数が少ないほど誤差が大きい(確率収束の理論)
必須 レンジ相場では勝率が構造的に下がる。想定内として扱う
最重要 重要な公式:勝率 × RR × 試行回数 = 期待値の総量
最重要 収支のブレをコントロールすることが、勝ち組トレーダーの最終到達点