06 戻り高値の突破確認

エントリー判断 | レッスン

戻り高値は突破されているか
— エントリーを左右する注文視点

テクニカルパターンが揃っていても、「入りやすい」と「入りにくい」は全く異なります。
このレッスンでは、その差を生む「戻り高値の突破確認」を注文の観点から理解し、
状況に応じてエントリー条件の厳しさを変える判断基準を身につけられます。

① 今回のテーマ 必須

あるメンバーがDiscordに投稿したトレード振り返りをきっかけに、今回のテーマが生まれました。
USDJPYのロングエントリーでロスカットとなったケースで、「TAKUが戻り高値の上抜きを意識していた」
という点が印象的だったという内容です。

Community Q&A — トレード振り返り
受
受講生

本日8時過ぎにドル円をロングでエントリーしましたが、ロスカットとなりました。

【日足】
・高値を切り下げたため上昇トレンドは崩れている
・前回安値割れが許容されており、まだ下降トレンドには入っていないと捉えた
・日足MAに頭を抑えられている
・持ち合いに入っていたので値動きが不安定になりそうな局面

【4時間足】
・4時間足レベルでは上昇トレンド中
・直上に機能している抵抗帯がある
・レートが日足MAと4時間足MAの間にある

【1時間足】
・直下に機能している1時間足レベルの抵抗帯に支えられている
・1時間足レベルの安値切り上げポイントを形成した
・高値更新でエントリー

【反省点・ネガティブ要因】
・上位足環境的に値動きが不安定になりそうな局面
・1HMAからエントリータイミングが少し早かった
・1時間足の安値切り上げが甘い
→ 日足レベルで不安定な局面だったため、本来エントリーを見送るべきでした

T
TAKU

この振り返り、めちゃくちゃいいですね。
一点、気になったところがあったので補足します。
「戻り高値を上抜いているかどうか」という視点についてです。
これは個人的にしっかり意識しているポイントで、状況によって入りやすさが大きく変わります。

「戻り高値を意識している」とはどういうことか。
以下のセクションで、その理由と判断方法を詳しく解説します。

② 戻り高値を「意識する」とはどういうことか 必須

USDJPY 日足チャート:高値切り下げ・日足MAに頭を抑えられる局面

4時間足レベルで安値切り上げが発生し、1時間足レベルでも安値切り上げが確認できた場合、
エントリーの条件は揃っていると感じるかもしれません。

しかし、その局面において「前回の戻り高値が突破されているかどうか」
によって、エントリーの入りやすさが根本的に変わります。

KEY CONCEPT

テクニカルパターンが同じでも、戻り高値の状態で「全く違う局面」になる

安値切り上げや移動平均線の向きだけを見て判断するのは不十分です。
その手前にある「前回の戻り高値が突破されているか」が、エントリーの可否を決定的に左右します。

これは感覚的な話ではなく、「注文(オーダー)」の観点から説明できます。

③ 注文で読む「突破」の本質 最重要

戻り高値が突破されているかどうかで、その価格帯の「売り注文の残存状況」が変わります。
これが、入りやすさの本質的な理由です。

戻り高値を超えていない場合

戻り高値で売りを入れたトレーダーが、まだポジションを保有しています。
彼らは含み益の状態にあるか、まだ損切りに追い込まれていません。
その価格帯への上昇に対して売り注文が機能し続けています。

→ 買いで入りにくい局面です

戻り高値を超えている場合

戻り高値で売りを入れたトレーダーは、すでに損切りを余儀なくされています。
その価格帯の売り圧力が解消されており、上への抵抗が薄れています。
さらに、その損切り注文が「買い注文」として機能し上昇を加速させます。

→ 買いで入りやすい局面です

TAKU

対象の心理的には、抜けてるか抜けてないかって、めっちゃ大事なんですよね。
「過去トレンドか上昇トレンドかの違い」という浅い話ではなくて、しっかり注文を見ています。
前回の戻り高値を超えてないということは、そこで新規で売りを入れてきた人たちが
まだ諦めていないということ。だから買いで入りにくい。これがすべての軸になります。

❌ 誤った見方

「安値切り上げが確認できたからエントリーできる」
テクニカルパターンだけを見てリスクを見落としている

✓ 正しい見方

「安値切り上げ + 戻り高値は突破済みか?」
注文の残存状況まで確認してから判断する

このセクションの完了条件
  • ☐ 戻り高値が突破されていない場合に売り注文がまだ残っていることを自分の言葉で説明できる
  • ☐ テクニカルパターンが同じでも「入りやすい・入りにくい」が異なる理由を答えられる

④ 水曜日のユーロドルを実例に

EURUSD H4(4時間足):前回戻り高値の突破確認

水曜日のユーロドルのケースでは、前回の戻り高値を(一応)突破していました。
ヒゲ先で判断するか終値で判断するかによって解釈が変わる場面でしたが、
「一応抜けている」という状況でした。

この「突破されている」という事実は、エントリー判断において非常に大きな要素です。

ケンリンさんも同様に意識している

著名なFXトレーダーであるケンリンさんも、この「前回高値を超えてきているかどうか」を
最良の判断要素の一つとして動画内で明言しています。
「前回高値の突破確認 → エントリー判断において非常に大きい」という視点は、
上位トレーダーの間で共通して重視されているポイントです。

TAKU
これは自分も普通に意識しているところで、ケンリンさんも同じことを言っていたので、
「やっぱりそうだよな」と確信しています。
突破されていれば売り勢力は諦めているわけで、そこに「一度整理が入っている」という見方ができます。
もちろんゾーンで意識される場合もあるので状況次第で確信度は変わりますが、
「突破されているかどうか」の確認は必ずやるようにしています。

⑤ 状況に応じた判断の使い分け

USDJPY 1時間足:エントリー根拠と注意点のアノテーション

戻り高値の突破状況によって、エントリーに求める「条件の厳しさ」を変える必要があります。
「入れるかどうか」ではなく、「どれくらい厳格な条件で入るか」という判断です。

戻り高値の状態 エントリーの方針 理由
突破されていない より厳格な条件でのみ入る。中途半端な場面では見送る 売り圧力がまだ残っており、逆行リスクが高いため
突破されている 多少エントリー条件が荒くても許容できる(多少) 売り勢力が解消されており、上への抵抗が薄いため
TAKU

どちらの状況でも「勝率が高い」とは言えないです。
戻り高値を突破していても、その後失敗することは普通にあります。
大事なのは「突破されている状況では少し緩くても入れる」、
「突破されていない状況では余計にしっかりしたところでしか入らない」という使い分けです。
同じMAの形、同じパターンに見えても、この視点が入ると全く別の判断になります。

“どの状況でも同じことが言える。戻り高値の突破確認はめちゃくちゃ重要です”

このセクションの完了条件
  • ☐ 直近のチャートを見て「前回の戻り高値が突破されているか」を即座に判断できる
  • ☐ 突破されていない場合に「より厳格な条件が必要」という判断基準を適用できる

⑥ 毎週の振り返りとPDCAサイクル

トレードの振り返りを継続的に投稿し続けることは、上達のために非常に価値があります。
「毎週どこでトレードして、なぜ負けたか」を書き出すだけでも、それはアウトプットになります。
自分のトレードを言語化することで、次の判断が磨かれていきます。

MINDSET

悪い取引を減らし、良い取引を増やすゲームとして捉える

勝ち負けの結果だけを見るのではなく、
「根拠の薄いエントリーを減らして、根拠の揃ったエントリーを増やす」という
プロセスの改善を目的として振り返りを行います。

推奨するPDCAサイクル

PLAN
シナリオ構築
週初めにトレード方針を立てる

→
DO
機械的実行
根拠に従ってトレードする

→
CHECK
客観的評価
勝敗の理由を言語化する

→
ACTION
改善策立案
翌週の判断基準を修正する

振り返りの頻度 推奨度 コメント
毎日 最推奨 トレードに限らず、全てのタスク管理に日次振り返りを組み込む
週次 推奨 最低でも週単位でPDCAを回す。これが基準ライン
月次 最低ライン 週次が難しい場合は月次でも可。ただし改善サイクルが遅くなる
TAKU

「自分のやり方でいい」というのが大前提です。
フォーマットが綺麗かどうかより、「振り返ったかどうか」の方がずっと大事です。
白紙に書くだけでも、頭の中が整理されて翌週のトレードが変わります。
最初は形にこだわらず、まず書き出すことを習慣にしてください。

このセクションの完了条件
  • ☐ 直近1週間のトレードを振り返り、「なぜその判断をしたか」を文章で書き出せる
  • ☐ 週次または月次で振り返りを行うスケジュールを決めている

まとめ

最重要
戻り高値が突破されているかどうかは、エントリーの入りやすさを決定的に左右する。テクニカルパターンが同じでも、注文の残存状況が全く異なるため。
必須
突破されていない=売り勢力がまだ残存 → 厳格な条件でのみ入る。突破されている=売り勢力が解消 → 多少の条件でも許容できる。
必須
「抜けているか抜けていないか」の確認は全ての局面で共通して重要。ケンリンさんも同様に最重視している判断要素。
あってもいい
ヒゲ先か終値かで解釈が変わる場合がある。「一応抜けている」「ゾーンで引けば引いていない可能性も」という状況は存在し、確信度が変わる。
必須
毎週のトレード振り返りを継続する。「悪い取引を減らし、良い取引を増やすゲーム」という目的意識でPDCAを回す。