エントリー足は手段だ

FX本質論 | レッスン

エントリー足は手段だ

「時間足を落とす」という言葉を、どう理解しているか。
エントリー足の選択が「目的」になった瞬間、チャートへの合わせ方が歪む。
このレッスンでは、チャートの本質から逆算して、時間足をどう扱うべきかを整理する。

「4時間足環境で、1時間足でエントリー」「MAが伸びきってるから15分足に落とす」

こういった使い方をしている人は多い。だが、そもそもなぜ時間足を落とすのか。その理由を正確に言語化できているか。

エントリー足の選択は手段だ。それが目的になった瞬間、チャートへの合わせ方が歪む。


第1章:チャートはただ価格が上下しているだけ

チャートとは何か。価格が上下しているだけだ。

1ドル=158円という事実がある。そこに意味も構造もない。我々トレーダーが勝手に横軸(時間=T)を加えて、チャートを作り上げている。

海外旅行での両替

ドル円を両替するとき「今は1時間足で見ると」とは考えない。価格は価格だ。時間の切り取り方は関係ない。

チャートの時間足

トレーダーが横軸にTを加えて作り上げたもの。1日=24時間、1週間=7日という区切りすら、人間が決めたルールだ。

そもそも1日が24時間で、1週間が7日——この時間の切り取り方自体も我々が作っている。チャートはただ価格が上下しているだけ。それに時間軸Tを加えたのが我々だ。

TAKU
主体はチャートであり、トレーダーが合わせにいく姿勢が基本だ。チャートがエントリー足を決めているのではなく、我々が当てはめている。この順序を間違えると、すべてが逆になる。

第2章:エントリー足が目的化するとどうなるか

「4時間足環境、1時間足エントリー」と決めると、その組み合わせを「当てはめよう」とする。

だが同じ4時間足レベルの波でも、波の幅は毎回違う。大きな戻しが来た場合、1時間足の波よりも大きな波を取りたい場合もある。直前の波を否定できない場合もある。

NG — エントリー足の固定化

「4時間足環境なら必ず1時間足」と決める。波の規模や幅を無視して当てはめる。結果、直前波を否定できないのにエントリーしてしまう。

OK — 波に応じた適応

直前の波の規模を見てから、どの時間足が適切かを判断する。同じ4時間足環境でも毎回答えが変わることを前提に動く。

TAKU
自分がどのくらいの規模の波を取るのかをしっかり把握することで、はじめて15分足や5分足に落とすかどうかが決まる。「落とす」が先ではない。波の規模感が先だ。

第3章:サーフィンの比喩——海に合わせるサーファー

海にはいろんな波がある。大きな波、小さな波。さらに細かく見れば水分子レベルの動きまである。

サーファーが「今日は15mの波に乗る」と事前に決めるか。決めない。海が生じた波に合わせる。サーファーが海に合わせるのであり、海がサーファーに合わせるのではない。

上位
大きな波
4時間足レベル
中位
中くらいの波
1時間足レベル
下位
小さな波
15分・5分足

トレードが難しいのはここだ。サーフィンなら水分子の動きは無視できる。だがトレーダーは大きな波も中くらいの波も小さな波も、すべてを読み取りながら判断している。しかも見すぎると大きな波を見失う。

TAKU
毎回乗る波の高さや速度、規模感が違う——それがサーフィンと一緒だ。だからこそ、波に便宜上の呼び名(4時間足・1時間足)をつけているに過ぎない。その呼び名に縛られてはいけない。

第4章:時間足を落とす正しい判断基準

時間足を落とすとき、様々な理由が挙げられる。

よく挙げられる「時間足を落とす理由」
  • MAが伸びきっている
  • 水平線が直上・直近にある
  • 直近で注文が入りすぎている
  • 伸びきっているから精度を上げたい

これらを並列で処理しようとすると判断が複雑になる。おすすめの思考回路は一つだ。

まず波(ダウ)で判断する。それだけでいい。

1
直前の波に対して、どの時間足が適切かを考える

狙う波の規模を確認する。4時間足レベルの波を取りたいのか、1時間足レベルの波を取りたいのか。これが先だ。

2
その波の規模に応じて、シンプルに回転(転換)を入れる

4時間足の波を取るなら、1時間足での高値切り下げが確認できてから。1時間足レベルの波なら、15分足がエントリー足になる。波の大きさとエントリー足は連動する。

3
水平線・MAはその後の補足判断として使う

ダウで判断した上で、水平線が直上にあるからさらに時間足を落とす、などの追加判断をする。最初から水平線・MAで考え始めない。

TAKU
MAの位置や傾きは、全部ダウの波形を数値化したものに過ぎない。「MAが〜だから〇〇」ではなく、「ダウが〇〇だからMAが〜を教えてくれる」——この順序で考えると判断が速くなる。本質はダウだ。
同じ4時間足環境でもエントリー足が変わる理由
  • 4時間足の波にも幅がある(大きい波と小さい波がある)
  • 直前の波の規模によって、狙う波のレベルが変わる
  • 大きな戻しが来た場合、1時間足レベルよりも大きな波を取りたい場合もある
固定の「4時間足環境=1時間足エントリー」は、あくまで目安に過ぎない。臨機応変に対応するしかない。

このレッスンのまとめ

チャートはただ価格が上下しているだけ。時間軸は我々が作り上げたものだ
エントリー足の選択は手段であり、目的ではない。当てはめようとした瞬間に歪む
サーファーが海に合わせるように、チャートが主体・トレーダーが合わせる姿勢が基本
時間足を落とすかどうかの判断は、まず波(ダウ)ベースで考える。MAや水平線は補足
同じ4時間足環境でも、波の規模・幅によってエントリー足は変わる。固定しない